「ヤバイ・・・」
「・・・なにが?」
「アヒル様が来る・・・」
「・・・
ああ、成績か」
休み時間、
机に突っ伏して呻くリンクと、無感動に言葉をかけるマルス。
「オール2ってことはないでしょ?」
「そうかな・・・」
「体育とか」
「・・・それだけ5とか、逆にマズイ気がするんだけど」
「しょうがないじゃないか、事実なんだから。
あ、でも音楽も得意だよね」
「まぁ」
「なら、全部、ってことはないね」
「なんだよそれっ!
・・・って、
マルスいっつもオール4だよね!?」
「そうだよ」
「なんで4なんだよ!」
「オール5の人ほどは頭が良くないってことさ」
「それはわかる!」
(あ、否定されなかった)
「そうじゃなくて、なんで2の倍なんだってことだ!」
「・・・?」
「オール2ってことは、マルスの半分ってことだろ?」
「まぁ・・・そう・・・かな?」
「なんかイヤじゃないか!」
「・・・」
「・・・」
「・・・なら」
「なら?」
「勉強あるのみ、だね」
「・・・それがイヤだから悩んでるんだよ」
「リンク、君はやれば出来るよ」
「やりたくないから出来ない」
(あ、否定しなかった)
「・・・
じゃ、やらせてあげる」
「へ?」
その日の放課後、街中の喫茶店にて。
「うーん、物理は諦めた方が早いよね。
先生と仲悪いのは周知の事実だし。
数学がやっぱり一番マズイかなぁ・・・」
「・・・ロイ、まだやんの?」
「何言ってるの、まだ1時間もたってないよ」
「俺、もういい・・・ロイは自分の勉強しなよ・・・」
「僕は僕でちゃんとやってるから気にしないで」
「・・・器用なヤツ」
「え、なんか言った?」
「なんでもない・・・」

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