高き空の広がる、神々の社にて、
    翼を持つ者同士が剣を交えている。
    
    
    
    ピットは2つの青い刀身を
    息をつく間もなく繰り出し、
    対するメタナイトも
    黄色く光る剣で相手の斬激を捌いていく。
    二人の素早い剣捌きは
    重なる金属音よりも、それらが風切る音をより濃く響かせる。
    
    ピットが、メタナイトの振った剣の隙を見つける。
    すかさずそれを突かんと、一歩踏み込んだ。
    
    
    
    「もらいッ!!」
    
    
    
    ピットが剣を振る。
    しかし、
    メタナイトとて、自身の剣の隙を知らぬわけではない。
    それまで受け止め続けた剣を
    素早く身を翻して、避けてみせる。
    そして代わって空いたピットの背後から
    大振りの一撃をおみまいする。
    
    
    
    「ッ!!」
    「・・・」
    
    
    
    大きく後方へと吹飛ばされるピット。
    
    だがピットも簡単には諦めない。
    刹那に、
    ピットの背中の羽が光を帯びた。
    翼の力で空に浮び、体勢を整える。
    それを見据え、メタナイトも剣を構え直す。
    
    
    
    「なにを笑っている?」
    
    
    
    問う、メタナイト。
    
    
    
    「わからない」
    
    
    
    ピットが、翼を羽ばたかせながら答えた。
    
    
    
    「なんか
     楽しくて仕方がないんだ」
    
    
    
    メタナイトが、フッと笑ったような気がした。
    その、仮面の下までは読み取れない。
    
    ピットの翼から光が失せる。
    それを合図に、
    二人は再び、間を詰めんとする。
    
    
    
    
    
    
    「メーターナーイートーーッ!!!」
    『!』
    
    
    
    
    
    いきなり、
    2人の頭上から響く声。
    剣を合わせようとしていたところ、とっさに身を引く。
    
    
    ズンッと、
    
    ちょうど2人の間に着地した、
    赤いローブの大王サマ。
    
    
    
    「デデデ・・・」
    「ワシを差し置いてなぁ〜にをしているぞい」
    
    
    
    手に持ったハンマーを持て余しながら、
    メタナイトへと詰め寄る。
    
    
    
    「邪魔しないでくんない?オッサン」
    「乱闘なんざジャマしてなんぼぞい」
    
    
    
    ピットに言いながら、ハンマーをかついでふんぞり返る。
    
    
    
    「おっ、ちょーどいい感じに集まってるな」
    
    
    もう1人。
    
    
    「オレも混ぜてくれよ」
    
    
    声がかかって振り向けば
    青いハリネズミが
    あたかも『ヒマなんだ』という風を装っている。
    
    
    
    「・・・ソニックか」
    「次から次に・・・」
    
    
    
    ピットがため息をつく。
    2人の参戦に、乗り気ではない様子。
    
    
    
    「ボク、メタナイトとケリつけたいんですケド」
    「私はこの二人の後でも構わんが」
    「・・・それ、バカにしてんの?」
    「いや」
    
    
    
    答えるメタナイト、
    その表情はやっぱり読めない。
    
    
    
    「あ〜っ!
     もーいい!
     何人だってまとめて相手してやるッ!」
    
    
    ピットがやっと、諦める。
    
    
    
    「へッ、そー来なきゃな」
    「後で愚痴るなよ」
    「Don't worry〜!心配すんな!」
    
    
    
    構える、ピットとソニック。
    メタナイトとデデデも彼らに続いた。