「いけるか?」
    
    「だぁれに聞いてんの〜?」
    
    
    
    背中越しに帰ってくるのは、ごくごく軽いノリの返答。
    
    
    
    「ずいぶん余裕だな」
    
    「とーぜんでしょ!オイラに任せといて〜ッ!」
    
    
    
    言って、自信たっぷりに両手の銃を構える。
    銃と呼ぶには多少、違和感があるが。
    
    見たところ木製だ。
    弾はピーナッツ。
    ・・・旧式とか、そういう問題ですらないように見える。
    
    
    
    
    
    (・・・って、俺もアーウィンから降りたら変わんないか)
    
    
    
    
    
    自分だって、
    アーウィンが繰れない以上、
    彼と同じく、簡易な武器と体術のみが頼りなのだ。
    
    フォックスが目をやる。
    ディディーは、まっすぐに、目の前の敵へと眼差しを送っている。
    その表情に迷いも恐れもまったく見当たらない。
    
    
    
    彼も、
    ドンキーと同じく『コング』の名を持つ者。
    その実力はこれからじっくり見せてもらうことにしよう。
    
    
    
    「それに」
    
    「それに?」
    
    「いざとなったら、
     フォックスがあれ出してくれるんでしょ?」
    
    「なにをだって?」
    
    「えーっと、あれ、ら、・・・・・・・・・ランドセル?」
    
    「・・・ランドマスター?」
    
    「そ!それ!」
    
    「あんなデカいの出して、君を巻き込まない自信はないが?」
    
    「!!・・・ち、ちゃんとオイラも乗せてよ、ね?」
    
    「冗談だよ、一応」
    
    「『いちお』ってなに!?」