01質問禁止事項
「弟子入り?」
「先輩に、いや、師匠に、剣の極意を学びたいんです」
「それは、新手の『遊び』かい?」
「僕は本気です」
「・・・」
また、リンクか誰かに妙なことを吹き込まれたに違いない。
マルスは思いながら、ロイの顔をまじまじと眺める。
だが、ロイの目は真剣そのもの。
・・・意欲ある若者の意思は尊重すべきだ。
それに、
ロイの剣技には、マルスも興味があった。
「しょうがないなぁ。僕は厳しいよ?」
「もちろん、わかってます」
「はじめに、言っておこうか」
「?」
「やるからには絶対に諦めないこと」
「はい」
「余計な口は挟まないこと
無理はしても無茶はしないこと」
「・・・はい!」
「あと・・・そうだな」
マルスが、少し考え込む。
気付かぬうちに、やる気になっている自分がいた。
「質問禁止事項・・・だな」
「禁止事項ですか?」
「例えば・・・
『どうしたら強くなれますか』
・・・・・・とか」
「・・・わかりました。気をつけます」
「・・・」
「他にありますか?」
「・・・」
また少し考えて
「・・・むしろ『質問禁止』にしようか。面倒だし」
「え?聞いちゃダメですか?」
「・・・さすがに、効果ないか、やめよう」
「え、えと・・・」
「適時適切な質問なら、受け付けてあげるよ」
「・・・はい!」
「そんなところだね。
さっそく、始めようか」
「お願いします、師匠!」

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